平成29年7月5日以降、九州北部地方で発生した記録的豪雨は各地に甚大なる被害をもたらしました。
この災害に際し、犠牲になられた方々に心より哀悼の意を表しますとともに、
ご自宅被害・避難生活など不自由な生活を余儀なくされている皆様に心よりお見舞い申し上げます。

下関青年会議所では各地青年会議所とも連携し、被災地への支援を行って参ります。
被災された各地域の一日も早い復旧をお祈り申し上げます。

魚フェス山口2017in下関

馬関まつり

理事長所信

はじめに

 戦後の混乱期、明るい豊かな社会を実現しようと青年たちの手によって1953年5月4日、下関青年会議所は28名の志高き青年により国内41番目の地域青年会議所として創設されました。以来63年の間、先輩方はあらゆる困難、苦難を打開し、個人の修練・社会への奉仕・世界との友情の三信条を原動力にバトンをつないできてくださいました。先輩方がその歴史と伝統を後の世代へ残してくれたからこそ、現在の一般社団法人下関青年会議所として在り、我々も多くの学びの機会を得ながら活動ができております。

 本年度の後世へのバトンを預かる者として、現状のまちの課題に正面から取り組み、会員全員で未来を向いて歩を進めなければならない。そして“現在”は“みらい”からの預かりものとして、明るい豊かな社会の実現を目指す“志”と連綿と繋がる“想い”をまだ見ぬ未来の若者へとしっかり引き継いでいかなければならない。そう私は考えております。

会員の「意識活性化」と「資質向上」

 明るい豊かな社会の実現に向けて取り組んでいくにあたっては、会員一同が互いの資質、能力の向上を常に念頭に置き、より高い次元で他者との協調を図りつつ、活動をしていかなければなりません。そのためにも会員同士の交流は重要と心得ます。

 下関青年会議所会員は委員会に配属され、一年を通して様々な体験を共有することで、多くの学びや深い理解、そして、新しい友人と出会うこととなります。この委員会を超えて集える場として、例会はあります。月に一度行われる例会は、「今月も参加して良かった」と思えるものであって欲しいと切に願います。会員同士の交流が図られ、情報交換や意見交換が活発に行われる。それが意識に生き生きとした力を与えることとなり、人間力を向上させるに繋がります。同じ目標に向かって進む同志と、「出来るか、出来ないか。」ではなく、「やるか、やらないか。」の精神で自己啓発を行い、毎月の例会では互いに想いを確認し合い、切磋琢磨することが何より代え難い経験となります。その経験値は、原動力になり、組織力になっていきます。

「円滑な総務運営」と「魅力ある下関青年会議所の発信」

 「組織」とは共通の目的を持ち、秩序のある全体を作らなければなりません。その中で役割分担やルールに従って動き、より効率的に段階的にある目標を達成し続けるための集団のことをいいます。そのため、総会・記録などに代表される総務運営をなくしては組織を維持することは困難となります。組織が目標達成のために、徹底したルールとシステムが効率的になっているかどうかは重大な事項であり、それが価値ある組織、そして信頼される組織へと繋がります。我々は、まちづくり団体として、この地域にこれからも信頼される団体とならねばなりません。

 価値ある組織、信頼される団体であるためには、我々の運動を地域に広く発信し、更には会員一人ひとりが意識をもって伝えていくことが重要となります。近年、下関青年会議所では、事業を中心にホームページやSNSでの情報発信や、マスメディアを通じて周知活動するなど、積極的に広報しようという意識が高まっています。対外的に発信を行うからこそ、より慎重に内容の精査を行い、その進め方や知識についても一段階意識を高くしなければならないと感じています。専門委員会を設けることで、それらのツールを活用し、より効果的にJC活動への共感を集められるよう“想い”を乗せた「意識的な広報」と「制御された情報発信」に注力していきたいと考えています。

意識を未来に、種を蒔くまちづくりの実践

 下関市より、平成27年10月に発表された「下関市人口ビジョン」にあって『消滅可能性都市に本市は該当しなかったものの、減少率は48.4%であり、危機的な状況に変わりはありません。』という言葉で表されるとおり、人口問題とまちの活力についての議論は喫緊の課題であります。この少子高齢化に端を発する問題は、全国水準よりも早い速度でここ下関において進展しています。したがって、どこよりも早いアクションでこの問題に向き合わなければならないのです。

 様々な問題を地道に解決し、より良いまちとなるにはどうすればよいのでしょうか。地方都市が持続可能な社会であり続けるためにはどうすればよいのでしょうか。それは、国や行政だけに頼るのではなく、私たち市民一人ひとりが、まちの未来にしっかりと向き合い、行動につなげていかなければなりません。下関市が力強く今後も活力あるまちとして在り続けるには、たくさんの種を蒔き、育てなければなりません。まちの魅力を内外に発信していかなければなりません。そこに我々青年会議所の使命があります。なぜならば、私たち自ら社会の課題を抽出するとともに、解決に向けた政策を立案し、私たちのまちのために行動していくまちづくり団体だからです。

 市民が自らのまちに意識を向け、未来にベクトルを合わせ、行動につながるような取り組みを展開していきたいと思います。

まちの発展につながる国際交流の取り組み

 下関市は三方海に囲まれ、海と共に栄えたまちです。1864年に開港し、以来、国際貿易港として発展を遂げた西日本でも有数の港湾物流拠点となっており、日本国内はもとより中国・韓国の主要都市への輸出入体制も整備されてきました。東アジア貿易の窓口として、その役割を大きく担っています。また、下関市は、室町時代から断続的に続いた朝鮮通信使との関わりなど、古くから国際交流拠点となってきました。現在では、関釜連絡船や青島・蘇州などの国際フェリーも発着するなど、アジア大陸への玄関口として、国際色豊かな都市となっています。

 その中において、韓国は日本にとって、最も重要な隣国と考えられています。良好な日韓関係は、アジア太平洋地域の平和と安定にとって不可欠といえるでしょう。貿易は中国・米国に次いで第3位となっているものの、経済においても重要な位置を占めています。ところが、現在、両国家間には多くの問題を有しています。互いの他国に対する感情も近年芳しくありません。しかしながら、渡航経験や交流のある有識者においては、その感情も大きく異なるようです。

 下関青年会議所には、永きに亘り受け継がれてきた3つの姉妹JCがあります。特に釜山青年会議所とは日韓国交正常化前の1964年に姉妹締結して以来、国際交流事業を中心に懇意にしてきました。釜山青年会議所姉妹締結、そして釜山・福岡青年会議所とのトリオJC締結、そこには半世紀を超えて続く友情があります。それらを基に、更なる相互理解と国際交流を図って参ります。

“しなやかで強い心”を持つ青少年の育成

 人はわくわくするとき、いつも未来を想像しています。何が起こるか分からない次の瞬間に期待し、気持ちが高揚します。その胸の高鳴りこそが生きる力を与えてくれるのです。危うさと将来性を同居させるこどもに、私は同じように未来を想像してしまいます。その瞬間を懸命に生きるこどもに大人たちは未来を感じるのだろうと思います。いつの時代もこども達は社会の希望であり、明日を創る力であり、未来の象徴となっています。

  そして、“生きる力”は常に前向きな心を土壌に湧き上がるものです。
「あなたができると思っていても、あなたができないと思っていても、いずれにしてもあなたは正しい。」ヘンリー・フォードの言葉です。

 私たちは、強い気持ちがそれをカタチにできることを知っています。そして、その反対も経験をしています。人は、こうありたいという理想に対して、自分を信じ、自らの可能性に蓋をしない“しなやかで強い心”を持つからこそ、生きる力に変えられるのです。心の教育、そして、こども達が自らの未来に対して、わくわくしながら想像できる環境と、社会を創ってやらなければならない。それがいまを預かる我々が、彼らに出来る最大の行動ではないでしょうか。

  未来を担うこどもたちが、人生をわくわくしながら進んでいけるよう“しなやかで強い心”を育む為のプログラムを実践して参ります。

「会員全体で取り組む拡大活動」と「未来を託せる後進の育成」

 現在、下関青年会議所は入会歴の浅い会員割合が増えていますが、三信条は変わらぬ原動力となっており、同じく明るい豊かな社会の実現を目指してJC運動を実践しております。

 勧誘するのではなく、新入会員がJCを熱く語れるように成長すること、それを伝えていけるようになる事が真の拡大につながるのです。拡大は組織の存続や運営の為にするのではありません。明るい豊かな社会を築く為に行うべきものです。 これからの地域の未来を本気で考え、一緒に行動できる同志を見つける事が本当の会員拡大なのではないでしょうか。 人の価値観を根底から変えられる団体が他にありますか?
入会した動機は自分中心でもJC活動を続けるうちに、人の為・地域の為・日本の為・世界の為と考えられるようになっていませんか?
そんな事を入会前に考えていましたか?
そのような事をJCに入会して少しでも感じるようになったなら、みなさんの価値観は変わったのです。
あなたのまちの人口はどのくらいですか?
自分だけの事を考える人が多いまちより、人の為・地域の為に考えられる人が多いまちの方が良いに決まっています。だから拡大が必要なのです。

 入会歴が浅くなるということは、昔を知る語り部が少なくなっていることを意味します。組織を繋ぎ、強くするには歴史をしっかりと受け止める温故知新の精神が必要だと感じています。その為にも、人財の確保と併せて、大いに語らい、共に成長できるよう切磋琢磨していかなければなりません。下関青年会議所は、未来に目を向けたまちづくり団体として、まちのリーダー創出機関として、まだまだその役目を終えておりません。明るい豊かな社会を築く為に、自らが真摯に取り組まなくてはならないという気概を会員全員で共有し拡大活動を実践して参ります。

第40回 馬関まつりの企画・運営

 下関市を代表する夏の風物詩である「馬関まつり」。昨年度は天候にも恵まれ多くの来場者を数え、変わらず盛り上がりを見せているところであります。その一方で、会場の一極集中化・会場間の分断・企画のマンネリ・マンパワーの減少傾向など在り方や運営にも様々な問題を抱えているのも事実です。

 本年度、馬関まつりは「第40回」という大きな節目を迎えます。下関青年会議所では大きな意味をもつ40という数字。温故知新の思いを胸にこの歴史を振り返り、今一度、その意義を見つめ直したいと思います。

結びに

常に新しいことに取り組み 切り開くことが青年としての使命である
その繰り返しにしか まちの未来はない

変わらずにある空は 過去から現在 そして現在から未来へとつながる

すべては愛するまちのために

すべては愛するひとのために

まちの未来のため あとからくるもののために

万 里 一 空

般社団法人 下関青年会議所
第64代理事長予定者   西山 利治

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