はじめに
“変わってはいけないものを守れるように変われたら”
「変わってはいけないもの」とは、人それぞれにとっての核となる価値観、信念、守りたい人や場所、伝統、そして自分自身のルーツです。
今日、我々は、先の見通せない、常に変化する世界に生きています。その変化の波の中で、もし我々が頑なに、「例年通り」、「変わらない」ことを貫こうとすれば、いずれ時代や環境とのズレが生じ、かえって大切なものを守れなくなってしまうかもしれません。例えば、大切な人を守るために、新しい知識やスキルを身につけて自分自身が変わる。守りたい伝統の本質を未来に伝えるために、時代に合わせた表現方法や伝え方へと変える。譲れない信念を貫くために、より多くの人に理解してもらえるよう、コミュニケーションの取り方を変える。このように、「変わってはいけない大切なもの」を守るという目的のために、手段や方法、そして自分自身が柔軟に変わっていくこと。それは、ただ流されるのではなく、自分の軸をしっかりと持ちながら、柔軟に変化に対応していく強さと言えます。我々は地域のリーダーとして、伝統を大事にしながら、まちを牽引する活動を展開してまいります。
考動する総務(総務委員会)
総務系委員会は、会議や例会の企画・運営を行い、LOM内の取りまとめ等の庶務をこなし、青年会議所活動の土台としての役割を果たしております。とりわけ、全会員が一堂に会する例会は、それぞれの想いや日々の活動内容を共有し、組織としての一体感を維持する重要な場です。青年会議所の会員も多様化し、価値観や考え方も多岐にわたる今日、あたりまえのことをあたりまえにやることはもちろん、過去の成功と失敗を学び、知的好奇心をくすぐるような有意義で行きたくなる例会を模索します。新しい例会運営、広報や組織の在り方を模索し、変化に対応しながら時代に即した新たな組織をつくりあげます。
同志の交流(会員連携委員会)
青年会議所に入会して活動をすることによって得られる大きなものの一つが「同志」です。それは苦楽を共にし、同じ釜の飯を食うことで、青年会議所を卒会してからも一生涯通じあえる、かけがえのない仲間です。地域により強い事業展開をしていくためには会員同士がまずは仲を深めること、そして共に力を合わせて事業をつくりあげていくための間柄を築くことが重要です。委員会の垣根を超え、下関青年会議所がひとつの大きな輪となることを目指します。
半世紀にわたり育まれた国境を越えた友情(国際連携委員会)
2025年にトリオ締結60周年を迎えました。ASPACにおいて共同寄付を実行し表彰されることで、姉妹関係の模範としてトリオJCの絆をアジア各地に示すことが出来ました。国交正常化前から続く我々のこの関係は、コロナ禍においてもウェブ会議や共同献血などを通じ、形を変えてながらも途切れることなく友情を育んでまいりました。従前通り、毎年各地に赴き対面で交流できる喜びをかみ締めつつ、今、新たなステージに進む段階だと考えています。JCらしく、単なる交流だけではなく、互いに刺激しあえる新しい形を模索していきます。
アントレプレナーシップ(起業家的精神)の醸成(人財輩出委員会)
持続可能で活力あるまちを創造するためには、経済活動の基盤を強化し、多様な雇用機会を創出する商工業の振興が不可欠です。技術革新が急速に進み、AIやロボットが多くの仕事を代替する社会において、自ら考え、行動し、新しい価値を生み出す「アントレプレナーシップ(起業家的精神)」の醸成が極めて重要です。アントレプレナーシップとは、単に起業家を育成することに留まりません。企業内の新事業や新商品開発のプロジェクトリーダー、何代も続く家業で変革を試みる後継者、起業を目指す学生などもその対象です。このマインドを地域全体に浸透させることで、挑戦者が新しい価値を生み出しやすい環境を整え、地域全体で挑戦を応援する風土を醸成することで、多様なイノベーションが生まれ、下関市が持続的に発展する地域へと進化することを目指します。
未来に向けた戦略の立案(まちの未来構想委員会)
日本の観光産業は、GDPの4.8%を占め、約48兆円の生産誘発効果と約410万人の雇用を創出する、まさに日本を代表する成長産業であり、文化・経済・地域社会にまたがる裾野の広い基幹産業であります。この重要な産業において、下関市は極めて大きなポテンシャルを秘めています。関門海峡の雄大な景色、歴史が息づく街並み、そして新鮮な海の幸といった、ここにしかない魅力で溢れています。加えて、近年では「星野リゾート リゾナーレ下関」の開業や、多数の大型クルーズ船の誘致成功といった、新たな追い風が吹いております。これらは、国内外から多くの人々が新たな期待を持って下関を訪れる、まさに絶好の機会です。この大きな追い風を、私たち自身の力で、街全体の活性化へと繋げていかなければなりません。
しかしながら、具体的な課題はいくつも存在します。日帰り・通過型観光から滞在型観光への転換、夜間の魅力(夜景、ライトアップ、夜市など)の活性化、魅力的な宿泊施設の誘致・整備、二次交通の整備やオーバーツーリズム対策などが挙げられます。
また、関門海峡を挟んだ北九州市との連携は不可欠です。「関門」という一つの広域観光圏として共同でプロモーションを行うことで、より広範囲からの観光客誘致が可能になります。
持続可能な観光地開発には、「訪れる人」の満足度向上と共に、「暮らす人」とも調和する環境整備が不可欠です。こうした課題は、行政だけでは解決できませんし、一企業だけでも解決できません。下関を愛するすべてのひとが一致団結しなければなりません。日本を代表するウォーターフロントシティを目指し、このまちの未来を描き、これからの観光の羅針盤となる事業を展開していきます。
共感型の拡大活動の展開(拡大研修委員会)
青年会議所の最も重要な使命は、地域社会を牽引する次世代のリーダーを育成することにあります。このリーダーとは、単に知識やスキルを持つだけでなく、高い志と倫理観、そして何よりも行動力を兼ね備えた人財を指します。本年の拡大活動においては、単に会員数を増やすことに固執するのではなく、組織そのものの「強さ」を見出す視点を重視いたします。組織の強固な基盤こそが、持続的な会員拡大を創出する源泉となります。属人的な活動に依存することなく、戦略的な施策を実行することで、持続可能な拡大活動の基盤を築き上げてまいります。青年会議所会員一人ひとりの資質向上は、このまちの明るい未来へと繋がる不可欠な要素です。私たちは、良い事業を展開し、地域社会に貢献できる素晴らしい人財を育成・輩出することで、「下関青年会議所に入りたい」と心から思えるような魅力ある組織を目指します。
新たな節目を迎える市民祭(馬関まつり実行委員会)
1974年(昭和49年)、第一次オイルショックにより、物価の急騰は続き、戦後初めて実質経済成長率がマイナスに転じ、日本の高度経済成長が終わりを告げました。まちの閉塞感を打破し、市民が心を一つにできる場を創ろう、そんな思いから馬関まつりは始まりました。現在では山口県下最大の40万人を超える人出で賑わうまつりへ成長し、下関市民に夏の終わりを告げる風物詩として開催されています。2027年には、第50回の節目を迎える今、先人の想いを回顧し、「市民祭」として本来あるべき姿を再考するとともに、時代のニーズと融和し、第50回、100回と連綿と続く馬関まつりを構想します。
第73代理事長 松村 優太



