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理事長所信

はじめに

 下関青年会議所は1953年5月4日 28名の志高き成年により、国内41番目のLOM として誕生し、以来、まちの為、ひとの為に、その歩みを進めて参りました。発会よりそこに携わられた先輩方の情念、努力、苦労には、並々ならぬものがあったことは想像に難くありません。

我々には先輩方から引き継いだ歴史を強く心に刻み、その伝統を受け継ぐ義務と、愛して止まない「しものせき」を、さらに素晴らしい「まち」へとすべく行動し、未来を担う子供たちへ伝えていく責任があります。

「孔子曰、存亡禍福、皆在己而已。天災地妖、亦不能殺也。」

 存亡禍福(そんぼうかふく)は皆(み)な己(おのれ)に在り。天災地妖(てんさいちよう)も、亦(ま)た殺(そ)ぐこと能(あた)ざるなり。これは「生死、幸不幸というものは皆、己が招くものである。天変地異によっても、それは変わらない」という意味の中国古典の言葉です。

 我々下関青年会議所やしものせきの今現在の姿は紛れもなく、過去から現在へと先人たちが創り上げてきたものです。そして、これからのロム、マチ、ヒトのミライは過去と同様に我々が創り上げていくもの。よく言われるように「JC しかない」時代から「JC もある」時代へ変わったことも事実でしょう。まちの人口も1985年をピークに減少し、2040年には20万人を切る人口推計があることも事実です。しかしながら、どんな環境であれ、英知を集結し、行動していくことでその道を切り開くことができると私は信じています。

 2018年、一般社団法人下関青年会議所は「 be the change ~ミライ輝くまちへのチャレンジ~」をスローガンに掲げ、65年目を歩みます。責任世代である我々自身が、明るい豊かな未来予想図を描き、ミライ輝くまちの「変化そのもの」となるように。魅力あるJC 運動を繰り広げ、気概を持って、全身全霊を込めて働きかけていく事を、ここに改めて宣言いたします。

ミライへ繋げる65周年を

 「2013年度に創立60周年を迎えてから5年が過ぎ、本年65周年を迎えます。そのたった5年の間にも我々を取り巻く環境も大きく変わりました。世界はイギリスのEU 離脱やトランプ政権の誕生など、グローバル資本主義に異を唱える保護主義や内向き傾向が高まっていることが代表するように、国益を最重要視する傾向が一段と強くなりました。経済的、軍事的パワーバランスの覇権争いが「開かれた世界」を「閉じられた世界」へ動かしているようにも感じます。国内に目を向けてみても、ポピュリズムを利用する事柄も散見され、「公」から「私」へと基準が変わりつつあるような風潮があるようにも感じます。平成という時代が終焉を迎えようとし、近隣諸国との関係に軍事的緊張感が走る今現在、くにもまちも高齢化・人口減少問題など様々な問題を抱え、これまで以上に未来への不透明感が増してきています。

 このような混沌とした現在でありますが、諸先輩方の並々ならぬご努力はもちろんのこと、我々の周囲に育んでいただいた素晴らしい「輪」のお陰で、我々下関青年会議所はこれまで64年という長きに亘り存続してまいりました。半世紀を超えるJCI KOREA BUSAN と一般社団法人福岡青年会議所とのトリオJC の友情はさらに深みを増し、友好JC である一般社団法人北九州青年会議所との交流も友好締結15年を超えて続いております。下関市行政や市内の他団体との交流もより深まってまいりました。この「輪」があるからこそ、われわれ下関青年会議所は存在し、明るい豊かな社会に向けてのJC 運動を継続することができています。

 65周年という節目の年である本年は、まずこのことに感謝の念を持ち、下関青年会議所の良き伝統を70周年、100周年へと繋ぐための1年でなければなりません。互いを尊重する「和」の心と「公」の精神。そして失敗を恐れない「積極的」かつ「勇敢」な行動。まちづくり団体としての誇りを持ち、未知の可能性を切り拓いていくJAYCEE として、気概を持って65周年に臨んでまいります。

全員拡大

 私の入会した2010年は正会員が52名でのスタートの年でした。そのような状況もあり、入会して間もない頃から、私は当時の先輩方から会員が減少していく辛さや、会員の少ない中で会を運営していく大変さを数々教わりました。その年度以降、先輩方や同輩、そして後輩達の努力の積み重ねにより、本年度まで少しずつですが、会員数を増やしてまいりましたが、入会対象者の数自体が減少していくような時代へと環境が変わり、会の存続そのものが厳しい時代には変わりません。

 我々がさらに活発な団体となり得るか、そうでないかは我々自身の行動次第です。また、「県下最大の都市にある下関青年会議所が県下最大のLOM であるべきである」と私は考えています。近年はこの逆境の中で会員数を増加させ、様々な事業を実施してまいりました。会員拡大を自らの問題として会員全員が共有し取り組んでいくならば、必ず達成することができる目標です。50名で出来ることと、70名で出来ることは大きく違い、100名で行うこととの違いはさらに大きなものです。下関青年会議所の会員であることを皆が誇りに思える下関青年会議所である為にも、さらなる高み「会員100名体制への回帰」を目指して進んで参ります。

マチノミライ

 下関市の人口は全国に比べて20年ほど早い1985年をピークに減少し、2040年には20万人を切ると言われています。その主な要因は、交通網と造船業や水産業などの産業構造の変化に伴い、人口流出が急激に進んだこと。近年は一貫して人口流出が続き、近年は10代後半・20代の若年の流出が中心となっていることがあげられます。この若年層の人口流出を詳しく見てみると、他地域に比べ、大学卒業・就職時にふるさとに戻る者が少ないというデータがあります。そして、就業環境に目を向けてみると、男性の就業先は「製造業」、女性は「医療福祉」が最も多く、職業としては、男性は「生産工程従事者」が、女性は「事務従事者」が最も多くなっています。これらから若年層のニーズと下関市の就業環境のミスマッチが一つの大きな要因であることがわかります。また、少子高齢化、人口減少の鍵は女性であると言われますが、下関市に於いては特に若年女性が近隣都市圏である北九州市や福岡市や東京都へ流出する傾向が強くなっています。そして、下関市の女性の生涯未婚率は、全国や山口県よりも高く、年々上昇しているという統計も見られます。このまちの未来予想図は現状のままであれば、2040年には20万人を切り、今ある都市機能の維持もままならなくなることは、想像に難くないでしょう。

 このまちの地理的優位性は紛れもなく、三方を海に囲まれ、本州と九州を繋ぐ関(せき)であるということです。近年の下関港の貿易額を見てみると、輸出額は年々増加しています。そして、輸出入ともにアジア圏を中心に北米や大洋州など、多くの国との取引がなされています。また、長州出島や山陰自動車道、下関北九州道路などの整備計画も進み、新たな交通網が整備されようとしています。グローバル化の進んだ今、下関市は未来に向けて発展するポテンシャルを持っているまちです。

 まちづくりとは単なるまちインフラの整備ではなく、社会・経済・文化・環境といった、生活の根幹を構成するあらゆる要素をも含めた暮らしそのものの創造です。そして我々の行うまちづくりは、明るい豊かな未来に向けて、必要とされるものを創造することでなければなりません。地域間競争が激しく、他都市が同じように地方創生に取組んでいる環境下で生き抜いていくには、まちの魅力を最大限に発揮させ、問題の根底となっていることを同時に解決させていかなければなりません。その為には近隣都市が特化していない「女性目線」や、大いなる可能性を秘めた「国際」といったキーワードから、既成概念に囚われない事業を行っていく必要があると考えます。これまでにない新たなものを生み出すには、大変な努力が必要であり、多くの方のご理解とご協力が必要となりますが、マチノミライを明るくするという目的意識を強く持って取り組んでまいります。

ヒトノミライ

 誰もが自らの意志で生きる時代を選択することはできず、豊かさの尺度は生きる時代、つまりは自らの身を置く環境によって変わってきました。世論調査では昭和50 年代半ばから戦後の「物の豊かさ」を求めていた傾向が逆転し、「心の豊かさ」を求める人の割合が増えています。これは「物質的にある程度豊かになったので、これからは心の豊かさやゆとりのある生活をすることに重きをおきたい」という人の割合が多くなったことを示しています。そして、様々な技術の進歩の著しい現代では、健康寿命の伸長と年間労働時間の減少により自由に活動できる時間がますます増大し、仕事以外の知的・創造的活動を通じて心の豊かさを実感する機会が益々増えていきます。家族や友人と過ごす時間や文化芸術・スポーツなどの趣味を持つことの重要度が社会の中で高まっているのです。

  そして、いつの時代も親は子の幸せを願うものであり、影響の大小はあれ、自らが育った時代の豊かさを子に与えようとするものです。自らの学生時代を振り返ってみても、その時の社会の主であった「業績至上主義」的価値観がベースになった「成績至上主義」が強く、いい大学に入学し、大企業や安定した仕事に就くこと、経済的な安定を実現することが豊かであるという風潮が強かったように感じます。しかしながら時代は変わり、テストでいい点数をとって経済的な豊かさを実現することではなく、自らのやりたいことを思い描き、そこに向かって努力し、願いを叶えることで心の豊かさを実現することが重要な時代へと移り変わっています。このような時代だからこそ、私はコドモの「主体性」や「挑戦心」を育んでいくことが必要であると考えます。

 変化の激しい時代であるからこそ、その変化に合わせてより良い環境を常に創り出していく必要があります。そして、我々自身もJAYCEE としてまちづくりに真剣に取り組むことで心の豊かさを育んでいかなければなりません。ヒトノミライの可能性を広げていくことは、「自らの可能性を広げていくことから始まる」ことを忘れることなく、新たなことに挑戦してまいります。

ロムノミライ

 我々下関青年会議所を取り巻く内部環境の変化としては、入会間もないメンバーの構成割合が増えたことが一番にあげられます。本年度のスタート時には入会から五年未満の会員が八割という下関青年会議所です。「これまでの当たり前が当たり前でなくなった」という言葉をよく耳にしますが、私は単純に「悪いこと」ではなく、我々自身に変化が必要な時期にあるのだと考えています。これまでの古き良き手法はそのまま通用しないかもしれませんが、新たなアイディアを取り入れ発展させるチャンスでもあるのです。インターネットやIT などの技術を有効利用し、まちづくりやひとづくりをすることに我々の全力を尽くせる体制を構築し、良き伝統をしっかり守っていく為の「ルール」や「システム」も同時に見直すことで、持続可能な組織を目指してまいります。

 また、青年会議所は「青年の学び舎」とよく言われるように、様々な環境と学びを与えてくれる場であると私自身は実感しています。自らの当たり前が当たり前でないことに気づき、様々な考え方や手法を学ぶことができる環境であり、目的意識と挑戦心を持ちJC 活動をしていくならば、必ず大きな学びがあります。本年度は会員全員が数多くの学びを得られる環境を整えることでLOM 全体のボトムアップに努め、より良きロムノミライを創造してまいります。

ミライへ種を残す運動を

 下関青年会議所という「樹」は、我々の活動が水となり、肥料となり、1 年をかけて事業や成果という「果実」を実らせます。その「果実」はいずれ種となり、いくつかは新たな「樹」の芽となります。我々の運動で大切にすべきことは、果実を実らせることではなく、明るい豊かなミライへの「種」を残すことなのです。

 国交正常化前からの釜山との交流は半世紀以上に亘り続くトリオ交流を生み、アーバン2001構想は長州出島を生み出しました。このように偉大なる先輩方はマチに数多くの「種」を残されてきました。そしてこれらの「種」は芽吹いた後も大切に育てられたからこそ「樹」となっています。単年度制をとる青年会議所が毎年違った手法をとることは確かに間違いではありませんが、「芽を育てていく」ことの重要性にも気づかなければなりません。65周年という節目を迎える本年は、特にこのことを意識した事業を行ってまいります。

そして、昭和49年に「歌と踊りとみんなの夜市」として実った果実は、「馬関まつり」の種となり、今年で41回目を迎える山口県下最大のまつりへと成長しました。今や馬関まつりは市民文化として根付き、下関市民にとってかけがえのないものとなっています。時代は変わり、形は変われども、馬関まつりは下関市民の夏の風物詩としてあり続けなければなりません。「市民祭」としてあり続ける為には、多くの市民の方がまつりに主体性を持って参画し、運営していくことが重要です。つまりは多くの市民の方に「馬関まつりを未来永劫続けていきたい」という思いを持っていただくことこそが、我々の役割なのです。今年度も夏の終わりが近づくと心が躍り、素晴らしい思い出を数多く残せるような馬関まつりを実施してまいります。

結びに

 我々の住み暮らすまちには様々な課題があります。地域間競争の激しい今現在、この状況を打開し、このまちが生き残っていく為には、目の前の小さなリスクを回避することを目的とした「パッケージ的事業」や他のまちと同様の「コピー&ペースト的事業」を行っていくことではなく、このまちにしかできないオンリーワンのものを創り上げ、それを育んでいくことが必要です。既成概念に囚われず物事の本質を捉え、このまちのオリジナルを創り育むこと。それは単年度制という環境の中で毎年様々な経験をし、自らの持つ価値観や既成概念から脱却を図りながら日々行動に移すことを行っている我々の得意とするところでもあります。

誰かが何かしてくれるのを待っていても何も変わりません。我々自身が明るい豊かなまちへの「変化そのもの」になるよう、まちを形成する人々と共に行動を起こしていくことが今必要です。今ある未来予想図がつまらないものなら、書き換えてしまえばいい。

be the change ~ミライ輝くまちへのチャレンジ~ 』

般社団法人 下関青年会議所
第65代理事長予定者   野口 大輔

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